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  浜松市楽器博物館
                                           

1.浜松市楽器博物館について

JR浜松駅から徒歩10分と
アクセスの良い
日本で初めての公立楽器博物館です。

ヤマハやカワイ、ローランドなど
世界に名立たる楽器メーカーのある楽器のまち、浜松市ですが
この楽器博物館は楽器メーカーが建立したものではなく
浜松市立です。
世界の楽器と音楽を平等に扱う」という
コンセプトのもとに
平成7年に開館しました。
 
館内には アジア、オセアニア、アフリカ、アメリカ、
ヨーロッパ、鍵盤楽器、電子楽器、それに国産洋楽器に
区分けした世界の楽器が4つの展示室に分かれて
展示されています。
 世界のおもちゃや楽器を自由に演奏できる体験ルームも
ありました。(主に日曜日に開催されているようです。)
 
受付で名前と住所を記入すると音声ガイダンスを
無料で貸し出ししてくれました。
 また、全部の楽器ではありませんが
演奏動画や音源の視聴もできます。
見た目から想像できないような音色もあって、楽しめます♪
館内は全て、写真撮影OK!
時間帯によっては職員の方による楽器の解説と生演奏もあり、
長時間いても飽きませんでした。

気候や風土、文化に違いはあれど、
音楽に身分の違いや上下関係はないのだ!!
素晴らしい!!

 

ピアノ

 
↓ダルシマーです。

台形の木の箱の中に約70本の弦を張り
木のバチ(ハンマー)でたたいて発音します。
歴史は古く、10世紀末には中東付近で演奏されて
いたと説があり「ピアノの先祖」と称されます。
 同系の楽器として、西南アジアのサントゥール、
ハンガリーのツィンバロム、中国の楊琴(ヤンチン)、
ドイツやスイスのハックブレッド(まな板の上の肉屋さんの意)
があります。
ラテン語の「dolce melos」(甘美なメロディー)
が語源とされています。
 
↓ チェンバロ(独: Cembalo, 伊: clavicembalo)です 。
16~18世紀のルネサンス、バロック音楽で
イタリア・オランダ・イギリス・フランスで
広く使用された鍵盤楽器。
 装飾がとても豪華で当時の貴族の生活を想像させます。

 ピアノはハンマーで弦をたたいて発音しますがチェンバロは
鍵盤を押すと木片が上がり、その先に取り付けられたプレクトラム
(鳥の羽軸や革製の5~8mmほどの小さな爪)で弦をはじいて
発音します。構造の違いからピアノとは音色が異なります。
 強弱の変化はつきませんがメロディーのつながりかたや
区切り方、演奏速度を微妙に変化させることで表現します。

チェンバロはラテン語のツィンバロム(打楽器や弦楽器を指す言葉)
に由来します。
英語ではハープシコード (harpsichord)、
フランス語ではクラヴサン (clavecin)
と呼ばれます。
英語のハープシコードはハープ+コード(弦)。

↑上の鍵盤は現代のピアノと色が逆(白鍵が黒で黒鍵が白)ですね。
2段とも白鍵部分が黒いものが多く展示されていました。
ちゃんと手を洗って演奏しないと大変なことに(笑)
時代とともに白黒の配色も変化していったようです。
 
↑クラヴィコード
J.S.バッハが家庭で愛用していた楽器としても知られます。
16~18世紀のヨーロッパの鍵盤楽器です。
タンジェントと呼ばれる金属片を突き上げ(押し上げ)
打弦して発音するため、強弱をつけることができ
打鍵しながらビブラートをかけることもできます。
 長方形の箱形の楽器で、テーブルや専用の台などの
上において演奏します。
蜂の飛ぶ音と比べる記述もあるほど音量は小さく
主に教育用、練習用として普及していました。
 ↓クリストフォリが制作したピアノ(1720年製の復元品)
ピアノは1709年頃にイタリア、フィレンツェの楽器製作者、
バルトロメオ・クリストフォリ(1655~1731)により考案されました。
弦をはじいて発音するチェンバロと違い、ハンマーで弦をたたいて発音する
ことにより、強弱が可能となったことから
「グラーヴェチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」
(強弱と強音が出る大きなチェンバロ)と名付けられました。
クリストフォリは生涯で20台ほどのピアノを制作したといわれています。

↓バルトロメオ・クリストフォリ


クリストフォリの制作したピアノは54鍵盤
現代のピアノ、88鍵盤と比べるとはるかにコンパクトです。


↓ペダルが5本のピアノ(1805~1808年) 


ペダルの上には「リラ」と呼ばれる古代ギリシャの竪琴を
模した装飾があります。

↓ニーレバー(ひざで押し上げる)も含めて6本のペダルのピアノ




ピアノ(チェレスタ)・ペダル(上段、左から2番目と右下)
=弦とハンマーの間にフェルトが入ることで
柔らかい音に変化します。
現代のアップライト式ピアノでは弱音用として使われています。

ドラム・ペダル(上段、右端)=踏むと響板上にあるベルと
響板下のバチが連動して太鼓を
模した音が同時に出ます。
トルコ風の音楽を演奏する時に使われました。
現代のピアノにはついていません。


ファゴット・ペダル=(左下のニーレバー)
木管楽器のファゴットを模した音です。
低音弦の上の木片についている紙が弦に触れて
ピリピリという音がします。
↓ショパンが愛したプレイエル社のピアノ 
ショパンは1832年にプレイル社のホール(サル・プレイエル)で、
デビューコンサートを行いました。
ショパンがこのピアノを愛したのは、これまでのピアノより高音部の音の伸び・柔らかさ・透明感が増し、繊細なニュアンスを表現することに
適していたからです。

フランス印象派の代表画家、ルノワール(1841-1919年)は
最も有名な「ピアノに寄る少女たち」に
プレイエル・ピアノを描いています。↓

 ↓アップライト ピアノ

1800年にフィラデルフィアのジョン・アイザック・ホーキンス
グランドピアノの弦を垂直方向に張ってコンパクトにした
アップライトピアノ
を製作し、広く普及するようになりました。
まだ、電気がなかったからか、譜面たての両サイドにはろうそくが…
昔の人はろうそくの灯で夜間、練習していたのですね。
 ↓ジラフピアノ

グランドピアノのフレームをそのままたてに起こした形です。
背が高くてキリンさんみたいなので
ジラフ(きりん)ピアノと名付けられました。
アップライトピアノに装飾をほどこした例ですね。
弦の部分の掃除が大変そう (;^_^A
 
↑キャビネット・ピアノ
タンスピアノ、棚ピアノとも言われ、
このピアノの右下には収納スペースが作られています。
ハンマーが上部にある「バード・ゲージ(鳥かご)」
と呼ばれるアクションが使われています。
小型のアップライトピアノのように見えますが
「チェレスタ」というピアノとは別の鍵盤楽器です。


1886年に、フランスのオルガン製作者
オーギュスト・ミュステルによって
考案・製作されました。
 内部に鉄琴に似た金属の板が並んでおり、
それをハンマーで叩いて音を出します。
グロッケン(鉄琴)のようなかわいらしい音色です。
ロシアの音楽家チャイコフスキーが
バレエ音楽『くるみ割り人形』
「こんぺい糖の踊り」にチェレスタの音色を用いたことから
世に広まったといわれています。
 
↑デュオ・ピアノ(フランス、プレイエル社 1925年製)
2台のグランドピアノがくっついているように見えますが
弦は2台分を中央で立体交差させて張り、響板を共有しているので、
響きを完全に融合させることができます。
2台のピアノのための作品を弾くために考案されました。
 
↑スタンウェイの自動ピアノ

初期の自動演奏付きピアノです。
オルゴールのように穴をあけて演奏データを入力していたのですね。
↓ベーゼンドルファーの92鍵ピアノ 


通常は88鍵盤が主流なのですが…
低音部に鍵盤を足して92鍵のピアノです。
↓97鍵というのもあります。

黒く表示されたこのピアノの最低音部の9鍵の弦は、
ほかの鍵を弾いたときにその弦と共鳴して豊かな響きを与えるための
もので、実際にその鍵が演奏されることはほとんどありません。

因みにベーゼンドルファーとは、
オーストリア所在のピアノ製造会社で
2008年からはヤマハの完全子会社となりました。
 

ヨーロッパの楽器
(ハープ、ギター、管楽器など)

 ↓ヨーロッパの楽器コーナー 展示数=230

ヴィオル


ヴィオルの上部
ネックに美しい女性の顔らしき彫刻がありました。


ヴィオルとは中世から18世紀の
弓奏弦楽器の総称です。
楽器を立て両足ではさんで演奏する
ヴィオラ・ダ・ガンバと楽器を水平にして
左肩に乗せる
ヴィオラ・ダ・プラッチオがあります。
狭義のヴィオルはヴィオラ・ダ・ガンバ
のみを指します。

一方、ヴァイオリンは15~16世紀に
イタリアで生まれたとされ
イタリア語ではヴィオリーノ(violino)。
小さなヴィオルという意味。
ハープの数々です。
 
ハープは紀元前3000年頃のエジプトに存在し、
ヨーロッパでは7世紀頃から見られます。
古代スカンジナビア語のharpon(ハルポン)
かき鳴らすという意味 から由来。
ピアノよりもずっと歴史は古いのだなぁ…。
弦をハンマーでたたいて音を出すピアノは
ルーツをたどると祖はハープやギター
なのかも…と感じました。
弦がなければ音を出せないのだから。
リュートマンドリンキタローネです。
 
↑写真左=リュート
起源は中世アラビアの楽器「アル・ウード」
アラビア商人がヨーロッパに持ち込み
進化してリュートになったといわれています。
マルチン・ルター、エリザベス女王1世なども
習ったほど流行しました。

↑写真中央上=マンドリン
↑写真中央下=リラ・マンドリン
リュートを祖に19世紀中頃
イタリアで生まれました。
ヴィヴァルディやベートーベンなどが
マンドリンのための楽曲を作曲しています。

↑写真右=キタローネ
バロック時代、イタリアの古楽器。
長いネックが特徴で演奏時間よりも
チューニング時間の方が長かったとか…。
よく似た楽器にテオルボ があります
 
↑ハープ・リュート
18~19世紀はじめにイギリスで考案された
変種ギター。
ハープとリュートの外観と構造を組み合わせたもの。
上流階級の婦女子に流行しました。
 
↓ハープ・ギターです。

ハープ・ギターも変種ギターの一種です。
ハープとギターを組み合わせたもの。
打弦鍵盤付イングリッシュ・ギター
  
1700年代の後半、イギリスで人気の弦楽器。
これは鍵盤がついているタイプです。
鍵盤を押さえると内部でそれぞれの弦をはじく仕組み。
見た目が明石家さんまさんみたいでかわいい♪
バラライカです。
 
ロシア、ウクライナ、ペロルシアの代表的弦楽器。
18~19世紀に農民に流行しました。
胴が三角形なのは制作しやすいからという理由
今日では3弦が標準。
セルパンです。
。  
17~19世紀のフランスなどで広まった低音ホルン。
ヘンデル作曲「水上の音楽」に使用されています。
セルパンとはフランス語で蛇の意味。
教会での合唱の補助や、軍楽隊に使用されました。
テナー・トロンボーン
 
えっ!? この形、どうしちゃったの?
1人で同時に2つ以上の音が鳴らせるように
考えられたそうです。
管楽器奏者にとって2つ以上の音を同時に
鳴らす事は今も昔も憧れだったようです。 
 
コルネット
1825年にフランスで考案されました。
イタリア語のcorno(コルノ)小さな角、角笛に由来。
トランペットよりも管が短く、
音が明るいことからパリなどで人気を獲得。
アメリカに渡り吹奏楽やサーカスで
花形楽器となりました。
ジャズの創始期にはメイン楽器として使用され、
オーケストラでもトランペットに代わって
演奏されました。
19世紀末にコルネットの利点を取り入れた
菅の短いトランペットが開発されると
再び人気はトランペットに移っていきました。
ナチュラル・トランペットです。

現代のトランペットとは
ずいぶん管の形が違い、開発の過程で
試行錯誤し、困ってる様子が伝わります。

 
バグパイプ(バッグパイプ)
スコットランド民謡で有名な民族楽器。
空気を溜めた袋を押してその空気を押し出して
リードを振動させて発音します。
バッグに空気を溜めるので息継ぎで音を切ることなく
主旋律の背景で持続音が鳴り続けます。
袋の材質は羊・山羊の皮、牛・馬の胃袋や膀胱。

スコットランドではその昔、
戦闘の開始時に、バグパイプの音楽隊が
丸腰で戦陣の先頭に立ち、大音量で演奏して
味方の士気を高めたそうです。
先頭の奏者が倒れるとすぐに後ろの兵士が
バグパイプを拾い上げて続きを演奏。
倒しても倒してもバグパイプの音がやまないので
恐れをなした敵は退散したそうです。
 命がけの演奏だったのですね…


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アジアの楽器

↓インドネシアのガムランなど、きらびやかで
  財宝の山のようなアジアの楽器は圧巻です!展示数=330 

↓アラブの大富豪の豪華客船ではありません。
 サイン・ワイン
というミャンマーの楽器です。


大きすぎてカメラに収まりきれません(笑)
財宝のような輝きと美しさでした。
調律太鼓(パット・ワイン)で屋外で演奏します。
木枠の中に19~23個の調律太鼓を吊り、
奏者は椅子に座って演奏します。
祭りの時には夜通し、舞踊や演劇の伴奏として
大変にぎやかな音で演奏されます。

ジャワのガムラン


バリ島の竹ガムラン(ジュゴック)

ガムランとはインドネシア各地の様々な打楽器合奏の総称で、
マレー語のガムル(たたく)が語源となっています。
職員の方々によるジャワ島のガムランの演奏が聴けました♪
青銅をたたくことから騒々しくて固い音なのかと思いきや、
まろやかで美しい音色でした。
演奏の最後は同時に終わってはいけない
という決まりがあり、一人ずつ演奏を終えて
いくのだそうです。 

↓バリ島の伝説の動物、バロンです。

楽器ではありませんが
「聖獣バロン」とも呼ばれます。
バリ島の儀礼で上演される「バロンダンス」 
で用いられる仮面と衣装です。

↓韓国の「建鼓(けんこ)」と「晉鼓(しんこ)
韓国の宮廷音楽で用いられる太鼓です。
朝鮮王朝時代の前半に雅楽(宮中の音楽)が確立し、
頻繁に演奏されました。

韓国の琴たちです。 写真上から 
牙琴(アジェン)、玄琴(コムンゴ)、伽耶琴(カヤグム)

韓国ドラマの史劇ではお馴染みの楽器たちです。
アジェンは木の棒で弦をこすり、コムンゴは木の棒で、
カヤグムは指で弦を鳴らします。
日本の琴よりも低音がより強く、たくましい感じがするのは
弦を鳴らす道具につけ爪を使う日本との違いかな…?

※左から伽耶琴(カヤグム)、牙琴(アジェン)、
玄琴(コムンゴ)の順。

↓中国最古の古代楽器、編磬(へんけい)です
湖北省の曽侯乙墓では紀元前5世紀のものと思われる
31個の石灰石と玉から成る編磬が発掘されました。
展示品はその復元楽器でした。 
調律された「へ」の字型の大小の石の板をたたいて発音。

↓これは編磬(へんけい)のバチです。

カナヅチのような形ですが
動物の角(つの)製です。
古代好きにはたまらんです♪(笑)
↓古代中国の打楽器、編鐘(へんしょう)です。 
いくつかの銅製の鐘をつるしたものです。
くどいようですが…こういう原始的な楽器は
古代好きにはたまらんです(笑)

編磬(へんけい)と編鐘(へんしょう)
※右端が編磬(へんけい)、左から中央が編鐘(へんきょう)

更に古代っぽい楽器を発見!!
モンゴルのカンリンという笛です。 
なんと!!人間の大腿骨(だいたいこつ)(゚д゚)! 
人様の太ももの骨に口をつけて吹くのですか~! 
中国やヴェトナムでは葬儀や儀式にチャルメラが鳴らされる
のと同様にモンゴルではカンリンが鳴らされるらしいです。

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アメリカの楽器

 ↓⑤アメリカの楽器 展示数=200 
 南米やカリブなども含む広義のアメリカ大陸の楽器の数々


ビリンバウ

おじいちゃんの釣り道具?
いえいえ、ブラジルの打弦楽器です(笑)
ダンスのような格闘技カポエイラ
の伴奏楽器として用いられ
アフリカから伝わったといわれています。

弓矢を棒で叩き、乾燥させたひょうたんで共鳴させる構造で 
石やコインで音の高さを変化させます。
ビリンバウを左手に持ち、右手はカシシ
(ラタン製のカゴの中に植物の種が入ったリズム楽器)
を鳴らします。
棒で弦をたたきながらカシシでリズムをとる
2つの楽器を同時に演奏するわけです

スティール・パン(スチール・ドラム)

エレクトーンでの即興演奏によく使った
スチール・ドラムの音色。
もともとはドラム缶から作られた音階のある打楽器。
独特の倍音の響きを持った音色が特徴です。
カリブ海最南端の島国、トリニダード・トバゴ共和国で発明
され、国民楽器として政府から正式に認められています。
スティールドラムとよばれることが多いですが、
現地ではスティールパンとよばれています。

↓スティール・パンを上から見た写真です。
マジックのようなもので英語音名が書かれています


↑ディズニー「リトル・マーメイド」でお馴染みの
スチールドラム

↓エクアドルのインディアンハープ、アルパです。
アルパは16世紀頃、
スペイン人によって伝わりました。

南米といっても左記のブラジルやカリブとは全く 
雰囲気が異なる音楽です。
スペイン植民地時代の影響からヨーロッパの雰囲気と
アンデス山脈という高地の気候と風土も影響が…。
アルパカ君たちはこんな音楽を聴いて育っているのかな…?

アルパカ君いわく
「名前は似てるけど
僕たちはアルパを演奏できまちぇん」(笑)
インディオが使用していた神聖な楽器を紹介します。
テポナストリという割れ目太鼓

普通は竹などの木製ですが、古くは石製もあり、
動物などの彫刻が彫られていました。

ウエウエトル
古代メキシコから伝承する打楽器です。 


バンジョーです。


バンジョーは17世紀頃、
アメリカで西アフリカ出身の黒人奴隷が使用した
「バンジャー」という楽器(一番上の写真)が起源です。
 
アメリカ合衆国東部のバージニア、北カロライナ、ケンタッキー、
テネシー州などはアメリカン・ルーツ・ミュージック
の故郷として広く知られています。
 アパラチア山脈の険しい山々に最初に移住したのは 
スコッチ・アイリッシュ系移民でした。
ここに5弦のバンジョー(真ん中の写真)が持ち込まれて
フィドルとバンジョーを中心とする
オールド・タイム・ミュージックが花開きました。

 今ではバンジョーは、カントリー音楽やブルーグラス
ジャズなどに広く普及しています。(一番下の写真)
 
日本では1854年にペリーが黒船で来航したとき
黒船の中の日米交歓会の中で披露されました。
フォスター作曲の「おおスザンナ」の歌詞にある
"I come from Alabama with a Banjoon my knee."
とともに日本人にとってかかわりの深い楽器です

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アフリカの楽器

↓アフリカの楽器 展示数=60


↓西アフリカの木琴、バラフォン
です。   


↓バラフォンを横から見た写真です。

バラフォン について
 下に共鳴用のひょうたんが取り付けられています。
サハラ以南のアフリカで栽培されるひょうたんは
容器、楽器、衣服など多用途に用いられ、
アフリカの人々の暮らしや信仰に深く根付いています。
↓アフリカの代表的な民族楽器、親指ピアノです。
(地域によってカリンバ、ハンドオルゴール,ムビラ, 
サンザ、リケンベ、マリンバなどと呼ばれています)
※エレクトーンにはカリンバという音色で搭載されています。

親指ピアノはその名の通り
板や箱の上に並んだ細い金属や竹の棒を 
親指ではじいて演奏します。
楽器の分類上では「ラメラフォーン」が総称ですが
カリンバという商品名が世界で普及したため
今ではこれが通称として知られています。
↓トーキング・ドラム(左側)とトーキング・フルート(右側)です。


名の通り、「しゃべる太鼓」と「しゃべる笛」で
言葉の代わりに通信手段としても用いられました。
 
トーキング・ドラムは西アフリカの砂時計型の両面太鼓。 
脇に抱え、周囲の紐の握りしめ方で音程に高低をつけながら
先が曲がった木のバチで言葉に代わるリズムを奏でます。

トーキング・フルートの吹き口は尺八と同じ構造。
音楽にも使うが元来は言葉の代わりを果たします。
「おーい、おれの羊がどこかへ行っちゃった。あんた、見なかったかい?」
なんていうこともしゃべれます。

↓ンゴマ(タンザニアの太鼓。皮は牛革)



ウォーター・ドラム
丸型ひょうたんを半切りにした容器を伏せて
水に浮かべて叩いて音を出します。


↓その他、アフリカの太鼓がずらり!


アフリカの太鼓は表面に彫刻のあるものが多数ありました。

摩擦太鼓(叩くのではなくこすって鳴らす太鼓)や
タバラジャンベンゴマなど
アフリカの太鼓は種類も大きさも実に豊富♪
(ジャンベ=木をくりぬいて獣の皮をヒモで張り付けた太鼓)

木の皮や布、ひょうたんなど、身近な自然の素材を活かして
楽器にし、日々の生活に溶け込ませて生きる力にしてきた
アフリカの人々の音楽には大地に根差した
本来の人間らしさとたくましさを感じました。

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オセアニアの楽器

↓オセアニアの楽器エリア 展示数=60 


タムタム(世界最大の儀式用割れ目太鼓)
(丸太を細い割れ目を残し内部をくりぬいた打楽器。)

高さ4mの巨大なオブジェと思いきや
何と! これも楽器でした!
彫刻された精霊の顔がとぼけたハニワのようでキュート♪
縄文時代の音楽に興味津々の私は
オセアニアの楽器コーナーに
最もテンションがあがりました。\(^o^)/

↓カヌーのようですがこれも巨大な楽器です。
ガラムートというパプアニューギニアの儀式用割れ目太鼓
木の棒で叩いて音を出します。
彫刻の顔は木彫りの仏像のように端正で穏やかです。
側面の彫刻はどこか縄文時代の土器に似ています。
木をコンコンと叩くシンプルな音ですが
現地の人々の卓越したリズム感と16分音符主体の 
の細かいリズムに一緒に踊りだしたくなりました。
「カラムーチョ」はお菓子ですので
名前をお間違いのないように(笑)

パプアニューギニアの水太鼓



水に差し込むようにしてたたき入れ、素早く抜き上げると
ポワムという音がします。
ワニが水から出入りするときの音、
あるいはワニの精霊の声とされています。

水太鼓は男子成人式などの儀式で使います。
女性や子供は見てはいけないとされています。
…と解説を読んだ後に
あっ、、私、女人なのに見ちゃった!!(笑)

↓パプアニューギニアの秘密の竹笛です。
普段は「精霊の家」や「男子集会所」などに保管され
男子の成人儀礼などに使う横笛。
女性や子供には秘密にされることから 
秘密の竹笛とよばれる。 
演奏して出る音は精霊の声と考えられています。
あっ、また私、女なのに精霊の声聞いちゃった!(笑)
ディジュリドゥ(オーストラリアで有名な民族楽器)です。




シロアリに食われて中空になったユーカリの木を
尺八の3倍ぐらいの長さに切ったもの。 
 実は私、数年前から大好きで、 
CDも2枚持ってます♪
 唇の振動で音声を変えた低音の人の声のような音で
現代のクラブ系音楽にもカッコよくマッチします♪
昔、市場にいた魚屋のおじさんの
「奥さ~ん、今日はさんまが安いよ~!」
なんていうしゃがれ声に似ています。
吹いているというよりはしゃべっているような…

オーストラリアの先民族アボリジニが
1000年以上前から使い始め、
世界最古の管楽器ともいわれています。

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日本の楽器

 ↓日本の楽器エリア 展示数=200 
日本の楽器のほぼすべての種類を展示しています。

↓大人の身の丈ほどある大型はた織り機ではありません。
箜篌(くご)という古代アジアの大型ハープです。


BC2500年からあり、エジプトからシルクロードを渡って 
日本には天平時代(710~794)に伝わりました。 
写真はレプリカで、東大寺正倉院には
復元された楽器があるらしいです。
とてもまろやかで優しい、美しい音色です♪

三味線の数々

沖縄音楽で使われる三線(さんしん)は蛇の皮を、 
三味線は猫や犬の皮を楽器の胴の両面に張って作ります。
 現在では合皮が多く生産されているそう

↓尺八、笛のコーナー

写真左側は江戸時代の貴重な地無し尺八
時代劇によくでてくる編み笠を深々とかぶった 
僧侶(虚無僧)が吹いていた尺八です。 
 下地を入れず、竹を切って穴をあけただけなので
音程がアンバランスで演奏が難しいそう。
 「首振り三年、ころ八年」という言葉の通り
首振り(音の加減)ができるまでに3年、 
ころ(細かい指の動き)によるよい音が出る 
ようになるのには8年かかるという尺八の演奏は 
当時、僧侶たちの修行の一環だったとか..。

↓寺院でお馴染みの木魚など。


 
↑寺院でお馴染みの木魚など。
鑑賞しながらふと、除夜の鐘の騒音問題のことを考えました。
除夜の鐘を「心地よいヒーリング音楽」ととらえるか、
「騒音(生活音)」ととらえるか…
聞く人によって違うけれど
 鐘を作った人にとっては丹精込めて完成させた
我が子のように愛しく、美しい音楽を奏でる「楽器」
なのでしょうね。


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このページでは、浜松市楽器博物館で私が見てきた
世界の楽器をエリアごとにご紹介していきます♪



  1. 1.浜松市楽器博物館について
  2. ピアノ
  3. ヨーロッパの楽器(ハープ、ギター、管楽器など)
  4. アジアの楽器
  5. アメリカの楽器
  6. アフリカの楽器
  7. オセアニアの楽器
  8. 日本の楽器